「鏡を見るたびにほうれい線が気になる」「同年代の友人と比べて、自分のほうれい線が目立つ気がする」——30代後半〜40代の患者さまから多くお寄せいただくお悩みです。ほうれい線は単一の原因ではなく、複数の要因が複合的に絡んでいるため、「ヒアルロン酸を入れれば消える」という単純な話ではないのが実情です。本記事では、吉祥寺の美容皮膚科「もこスキンクリニック吉祥寺本院」院長 高畠 唯 医師(ジュビダームビスタ認定医)が、ほうれい線の原因タイプ別の治療法と、ヒアルロン酸注入のコツを解説します。
そもそも「ほうれい線」とは|医学的な定義
ほうれい線は、医学的には「鼻唇溝(びしんこう)」と呼ばれる、小鼻の脇から口角に向かって伸びる溝のことです。実は、ほうれい線は「シワ」ではなく、もともと顔の構造として存在する『溝』とされています。
20代の頃は、頬の脂肪のハリやコラーゲンによる肌の弾力に支えられて、この溝がほとんど目立ちません。しかし加齢とともに頬の脂肪が下垂し、肌のハリが低下することで、もともとあった溝が「シワのように」目立ち始めるのです。
この理解が、ほうれい線へのアプローチを考える上でとても重要です。「シワを消す」ではなく、「下垂したボリュームを補い、頬の支えを取り戻す」というアプローチが、自然な仕上がりにつながるとされています。
ほうれい線の原因タイプ|3つの主な要因
ほうれい線が目立つ原因は、お一人おひとり異なります。医学的には主に3つの要因が絡んでいるとされ、ご自身がどのタイプかを知ることが、適切なアプローチへの第一歩です。
タイプ1:脂肪下垂タイプ
頬の脂肪が重力で下方向に移動することで、ほうれい線の上に脂肪のもたつきができ、相対的に溝が深く見えるタイプ。フェイスラインのもたつきや、マリオネットラインも同時に気になる方が多くいらっしゃいます。
主に40代以降に増えるタイプで、たるみケアとの組み合わせが効果的とされています。
タイプ2:ボリューム減少タイプ
頬や口元の脂肪・骨が痩せて、顔のボリュームが減ることで、ほうれい線の溝が目立つタイプ。「最近、頬がこけてきた気がする」「顔が長く見えるようになった」と感じる方に多くみられます。
このタイプには、ヒアルロン酸注入が選択肢として有効とされています。
タイプ3:表情ジワ・刻みジワタイプ
長年の表情の癖や日常的な摩擦により、ほうれい線の溝そのものに細かいシワが刻まれているタイプ。「笑った時に深く出る」「ファンデーションが溝に溜まる」というお悩みでご相談いただきます。
このタイプには、コラーゲンピールや肌育注射など肌質を整えるアプローチが用いられることが多いです。
多くの方は「複合型」
実際には、上記の3タイプが混在しているケースがほとんどです。お一人おひとりの状態を見極めて、複数のアプローチを組み合わせるご提案をすることが多くなります。
タイプ別の最適な治療アプローチ
原因タイプに応じて、当院でご提案する治療の組み合わせは以下のように変わります。
| タイプ | 主なアプローチ | 当院での主な治療 |
|---|---|---|
| 脂肪下垂タイプ | たるみケア+ヒアルロン酸補填 | デンシティ、ショートスレッド、ヒアルロン酸 |
| ボリューム減少タイプ | ヒアルロン酸でボリューム補填 | ヒアルロン酸(ほうれい線セット) |
| 表情ジワ・刻みジワタイプ | 肌質改善+部分補填 | コラーゲンピール、ユースフィルPN+、必要に応じてヒアルロン酸 |
| 複合型(多い) | 複数の組み合わせ | カウンセリングで個別にご提案 |
ヒアルロン酸注入のコツ|部位・量・層の考え方
ほうれい線へのヒアルロン酸注入は、「溝そのものに詰める」というイメージを持たれがちですが、それは医学的に正しい注入とは言えません。当院で大切にしている注入のコツを3つご紹介します。
コツ1:「ほうれい線」だけを見ない
ほうれい線が目立つ原因の多くは、頬の脂肪下垂です。そのため、頬骨周辺やこめかみ、口角下など、ほうれい線の「周辺」を支える部位に注入することで、結果としてほうれい線が目立たなくなるアプローチが選ばれることが多いです。
コツ2:適切な「層」に注入する
ヒアルロン酸は、皮膚の中の「真皮層」「皮下脂肪層」「骨膜上」など、目的に応じて適した層に注入します。同じ部位でも、入れる層によって仕上がりも持続も大きく変わるとされています。
コツ3:適切な「製剤」を選ぶ
ヒアルロン酸製剤には、硬さ・柔らかさ・持続性などの特性があります。ほうれい線周辺には、自然な動きを保ちつつボリュームをしっかり出せる製剤を選びます。当院ではジュビダーム®ビスタシリーズ(VOLIFT・VOLUMA・VOLUBELLA等)を、部位ごとに使い分けています。
当院でのほうれい線へのアプローチ
当院では、ほうれい線のお悩みに対して以下のメニューを組み合わせてご提案しています(料金は税込・2026年5月時点/自由診療)。
1. ジュビダーム®ヒアルロン酸 ほうれい線セット
3ccのヒアルロン酸を、医師が頬骨・口元・あごなど複数の部位に最適に配分する人気メニュー。1本単独の注入よりも、自然なバランスを取りやすいセットです。
参考料金(税込):1回(3cc)¥185,000
2. ジュビダーム®ヒアルロン酸 1本(部分注入)
気になる1か所だけアプローチしたい場合の選択肢です。
参考料金(税込):1本(1cc)¥77,000/2本以上1本あたり¥74,800
3. ショートスレッド(糸リフト)
たるみ要因が強い方には、頬を引き上げる目的で糸リフトを組み合わせることもあります。
参考料金(税込):20本セット 1回 ¥55,000/3回コース ¥120,000(麻酔代込み)
4. デンシティ(RFたるみ治療)
頬全体のたるみが進行している方には、デンシティと組み合わせることで、より総合的なアプローチが可能となります。
参考料金(税込):頬(200shot)¥77,000/頬+顎下(300shot)¥110,000
5. コラーゲンピール(土台ケア)
ほうれい線部位の肌質改善ケアとして、月1回のメンテナンスで取り入れる方が多いメニューです。
参考料金(税込):顔 1回 ¥15,980/5回 ¥74,980
6. ユースフィルPN+(土台ケア)
肌の自己再生力をサポートする土台ケアとして、ヒアルロン酸の効果を整える目的で取り入れる方もいらっしゃいます。
参考料金(税込):1回 ¥50,000(リドカイン入り)
当院のほうれい線治療フロー
もこスキンクリニック吉祥寺本院での、ほうれい線のご相談から治療までの流れをご紹介します。
- 01
無料カウンセリング
女性カウンセラーが、お悩みのほうれい線・気になり始めた時期・ご予算をじっくり伺います。
- 02
医師の診察&ほうれい線タイプの診断
女性医師がお顔全体を診察し、原因タイプを判断します。脂肪下垂・ボリューム減少・刻みジワなど、複合要因も見極めます。
- 03
治療プランのご提案
必要な治療のみを、ご予算・ライフスタイルに合わせてご提案します。「引き算の提案」を基本としています。
- 04
施術
ご同意いただいた治療を実施します。痛み・ダウンタイムは事前にご説明します。
- 05
アフターケア&継続フォロー
ホームケアのご案内と、必要に応じて次回施術のご提案をします。
よくある質問
- Q1. ほうれい線はヒアルロン酸だけで消えますか?
- A. 原因のタイプによっては、ヒアルロン酸単独で目立たなくすることが期待されるケースもあります。一方で、たるみ要因が強い場合は、たるみ治療や糸リフトと組み合わせるご提案をすることもあります。
- Q2. 何歳から治療を始められますか?
- A. 年齢制限はありませんが、ほうれい線のお悩みは30代後半以降から増える傾向にあります。気になり始めたタイミングでご相談いただくのが、選択肢の幅を広げる一つの目安です。
- Q3. ヒアルロン酸の持続期間はどれくらいですか?
- A. 製剤や注入部位によって異なりますが、ほうれい線への注入では概ね半年〜1年半程度の持続が目安とされています。効果には個人差があります。
- Q4. 「不自然な仕上がり」になるのが怖いです
- A. 必要以上の量を注入すると不自然になることがあります。当院では『引き算の提案』を基本とし、解剖学に基づいて必要部位に必要量だけを注入する方針です。
- Q5. ダウンタイムはありますか?
- A. 赤み・腫れ・内出血が数日〜1週間程度みられることがあります。大事なご予定の前は1〜2週間程度の余裕を持っていただくと安心です。
- Q6. ほうれい線の予防はできますか?
- A. 紫外線対策、保湿、摩擦レスのスキンケアといった日常ケアの積み重ねが、ほうれい線の進行をゆるやかにする一助になるとされています。
この記事で紹介した施術について
- 治療の分類
- 自由診療(健康保険適用外)。
- 使用製剤
- ジュビダーム®ビスタ シリーズ(米国アラガン社/日本国内承認医薬品)他。
- 標準的な料金(税込)
- ジュビダーム ほうれい線セット(3cc)1回¥185,000 ジュビダーム1本(1cc)¥77,000/2本以上1本あたり¥74,800 ショートスレッド20本セット 1回¥55,000/3回コース¥120,000 デンシティ:頬¥77,000/頬+顎下¥110,000〜¥183,000 コラーゲンピール:1回¥15,980/5回¥74,980 ユースフィルPN+:1回¥50,000 別途、初診料¥3,000・再診料¥1,000(当日施術または院内コスメ購入で初・再診料無料)。
- 標準的な治療期間・回数
- ヒアルロン酸:半年〜1年半持続/ショートスレッド:1〜2年ごと/デンシティ:3〜6か月ごと/コラーゲンピール:月1回×3〜6回/ユースフィルPN+:3か月ごと。
- 主なリスク・副作用
- 赤み、腫れ、内出血、しこり、表面の凹凸、稀に感染、極めて稀に血管塞栓(皮膚壊死・視力障害)など。
- 禁忌・施術不可となる方
- 妊娠中・授乳中の方、注入部位に皮膚疾患・感染のある方、ヒアルロン酸・リドカイン過敏症の方、自己免疫疾患・抗凝固薬服用中の方は事前にご相談ください。
※ 効果には個人差があります。掲載内容は記事公開時の標準的な目安であり、実際の治療内容・料金・リスクは医師の診察・カウンセリングのうえご説明します。
※ 監修:もこスキンクリニック吉祥寺本院 院長 高畠 唯 医師(ジュビダームビスタ認定医)